ベイシア/この品質がこの安さで買える新PB「ベイシアプレミアム」発表

ベイシアは3月8日、新プライベートブランド「Beisia Premium(ベイシアプレミアム)」を発売すると発表した。

<ベイシアプレミアムを発表した相木社長>
ベイシアプレミアムを発表した相木社長

同日、都内で開催した新プライベートブランド発表会で、相木孝仁社長は、「物価の高騰が続く中で消費者の意識が変化している。節約志向の高まりの一方で、価格と質の両面を重視して商品を購入している。そのため、安さが伴う品質の良い商品を購入したいという欲求が高まっている」と消費動向を解説した。

その上で、「PB商品を取り扱っている食品スーパーは2022年は全体の76.5%となり、2021年に比べて5.9ポイントと過去6年間で最も高く、総売上に対するPBの売上比率は全体で10.3%となっている。ベイシアでもPBを開発しているが、PBの認知度が弱く、お客様が気づかない。商品の存在や良さが伝えられていない課題があった。低価格競争に加え、品質競争が巻き起こる中で、新たなステージに向かうためにPBを刷新した」と述べた。

また、「ベイシアプレミアムは、価格と質の両方にこだわったプライベートブランドで、目利きによって質を向上する。今回、生活必需品において少しでも良いものを提供することを、目利きの定義とした。『この品質がこの安さで買える』を実現し、日々の生活においてプレミアムな体験を提供したい」と新PBのコンセプトを解説した。

<ベイシアプレミアムの展示>
ベイシアプレミアムの展示

ベイシアでは、現在、約1000SKUのPB商品を展開しているが今回、46SKUを新PBに刷新する。今期中に150SKU程度を新PBに切り替える計画だ。現在の食品売上に対するPB売上比率は、13%~14%程度となっている。今回のプライベートのリニューアルにより、対象商品では前年比で20%以上の売上を目指す。

相木社長は、「PBが強い来店動機になっている状況を考えると、ちょっと時間がかかるかもしれないが、やはり、PB売上比率で20%~25%の水準まで持っていけるような実力をつけたい」と語る。

<松尾事業部長>
松尾事業部長

松尾大輔商品マーチャンダイズ事業部長は、「低価格競争に加え、品質競争時代に移り、ナショナルブランド(NB)からPBにお客様のニーズがシフトする中で、スーパー各社の商品力強化が生命線となっている。ベイシアでは、安さのイメージが先行し、PB商品は、売場においてあるにも関わらず、認知されていない訴求力の低さに課題があった」とこれまでのPBの課題を分析した。

その上で、「ベイシアプレミアムでは、目利きを体現する3つの考えで商品開発している。一つ目は、良い商品を作るため、ネットの情報だけでなく、産地、生産者、工場など自らの足で駆け回り、情報収集をしている。二つ目は、より安くするために、原材料の選定、物流方法、納品形態、発注単位など売り方に至るサイクルまでを考え抜いている。三つ目は、売場を持っている小売業だからこそ、お客様との接点が直接でき、本当のニーズに耳を傾け、商品開発ができると思う」と商品開発のポイントを解説した。

ベイシアでは、基準や制度により「商業」を「工業」のようにシステム化する「商の工業化」を推進することで無駄を省き、低価格を追求している。例えば、在庫管理と需要予測に基づく自動発注や端末による業務マニュアルのシステム化、生産性の高い納品形態や店舗作業を熟慮した物流体制など、様々な施策により低コスト構造を構築し、低価格に磨きをかけたという。

<別海のおいしい牛乳の官能評価結果>
別海のおいしい牛乳の官能評価結果

今回、リニューアルにあたり、新たな取り組みとして、初めて外部評価機関による食味テストを実施した。ハウス食品分析テクノサービスに依頼し、各カテゴリーの代表的な商品とブラインド比較し勝っている、もしくは同等以上の商品を発売することで、お客が満足する質・味を担保する。

官能評価にあたり、調理工程が必要な半加工品も含めて、評価をする必要があるため、そういったノウハウを持つハウス食品分析テクノサービスに評価を依頼した。また、官能評価のほか、店頭でのお客に対するインタビュー調査も実施し、商品開発を行っている。

また、リニューアルした46SKUについては、リニューアル前と同じ売価を維持した。松尾事業部長は、「基本的に売価は維持しているが、現在の状況では、先が見えない面がある。状況に応じて臨機応変に対応していかなければならない。価格が途中で変わる可能性は高く、生産者と一緒になって、その段階で決定したい。我々だけが良くて仕方ない」と述べた。

<リニューアル発表会>
リニューアル発表会

ベイシアプレミアムを発表するにあたり、今回、PBのロゴを一新したほか、ブランドステートメントを策定した。

PBロゴを担当したカナリアの徳田祐司クリエイティブディレクター/アートディレクター(写真右から2人目)は、「これまでのPBは、たくさんにあるのに目立っていない、努力が伝わっていない、店舗空間が大きすぎ埋もれてしまう課題があった。そこで、ベイシアの店舗に行き、『そもそもベイシアってなんだ?』ということを考えた。ベイシアに行くと安くていいものを提供されており、生活の見方になっていると思った。また、大きな店舗で、『こんなに安いの』って、買い物がワクワクする。つまり、お客様の元気の素になってると思った」と述べた。

その上で、「相木社長は、『お店の活気を作っていきたい』と言われており、その気持ちを大切にした。話を聞くとたくさんの努力があり、それをお客様に伝えたい。そこで、元々あったベイシアのロゴを利用して、PBがベイシアそのものであり、ベイシアの思いが宿っていることを表現した。ベイシアのデザインは、すごく簡単に書ける。誰でも書けるデザインは、実は、『全ての人のために』という思いを込める時に使ったりする。その意味で、全ての人のためにある、そんなコンセプトも伝えた」とブランドロゴを解説した。

また、ベイシアプレミアムのブランドステートメントを担当したコピーライターの中村直史氏(写真左から2人目)は、「PBを引っ張っていくコピーとして掲げたのが、『もっと!より良いものをより安く』だ。この言葉は、1997年にベイシアという名前でスーパーを展開してから、ずっと使ってきた言葉だ。コピーライターは自分の言葉を作りたいものだが、この言葉は、30年近くずっと積み重ねてきた単なる広告の飾りの言葉ではなくて、ずっと実践してきたことだ。ベイシアの魂とも言える言葉だ」とブランドステートメントを解説した。

<ブランドステートメント>
ブランドステートメント

今後、店頭でPB商品の認知度を向上させるため、目利きポイントマークを店頭に掲示する。目利きポイントマークの先に、商品特長のポイントなどの解説を入れることで、売場の活気を演出する。

またPBリニューアルに当たり、3月9日から、目利きを担う社員が、お客に自らの想いを直接、語り掛ける3編のTVCMの放映を開始する。TVCMはベイシアホームページでも公開する。

■ベイシアプレミアムTVCM
https://www.beisia.co.jp/beisia_premium

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