カタール航空とエアバス、A350塗装問題で和解 改修進め運航再開へ

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 カタール航空(QTR/QR)とエアバスは現地時間2月1日、両社間で続いていた争いが和解に至ったと発表した。A350型機の外観塗装が劣化する技術的な問題によるもので、和解の内容は非公表。今後は法的請求を中止し、機体の改修プロジェクトを進める。

A350の塗装劣化問題でエアバスと和解したカタール航空(資料写真)=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

カタール航空が公開したA350の塗装劣化(同社動画から)

 今回の和解合意は、当事者間の責任を認めるものではないという。

 カタール航空のA350は、機体表面の塗装が加速度的に劣化。同社によると塗装劣化は表面にとどまらず、塗装の下にある複合材構造が湿気と紫外線にさらされているほか、機体の避雷システムの損傷にもつながっているという。また複合材の亀裂やリベット部分の損傷もみられるとしている。

 塗装劣化を受け、カタール航空は2021年12月にエアバスに対する法的手続きをロンドンの高等法院で開始。エアバスと協議してきたが物別れに終わったため、2022年1月には50機発注済みのA321neoを全機キャンセルした。また同年8月には発注済みだった19機分のA350-1000がエアバスの受注・納入リストから削除された。

 2021年以降はA350を含め、カタール航空が受領したエアバス機はゼロ。全機種を通じ注残がない状態が続いている。

 今回の和解を受け、両社は「改修を進め、飛行を安全に再開することを楽しみしている。パートナーとして前進し協力していく」とコメントした。

関連リンク
カタール航空
Qatar Airways Statement on Airbus A350 aircraft(YouTube、1分37秒)
Airbus

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