22年訪日客、本格回復に至らず コロナ前の1割、前年比15倍超383万人

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 日本政府観光局(JNTO)が1月18日に発表した訪日外客数2022年推計値によると、訪日客数は383万1900人だった。JNTOが統計を取り始めた1964年以降で過去最低だった前年比では15.5倍で、観光客の受け入れを再開したことにより回復傾向がみられた。一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行前の2019年と比較すると88.0%減で、コロナ前の1割程度の戻りにとどまり、本格的な回復には至っていない。

 出国日本人数は2019年比86.2%減の277万1700人となった。

—記事の概要—
22年の年間動向
方面別実績

22年の年間動向

前年を大きく上回ったものの本格的な回復には至らなかった2022年の訪日客=22年7月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 訪日客数の最高記録は、2019年の3188万2049人。JNTOが重点市場としているのは22カ国・地域で、これまでの20カ国・地域に2020年4月からはメキシコと中東地域が加わった。22市場のうち1万人を割り込んだのは メキシコの1市場のみだった。

 政府は6月10日から、添乗員付きのパッケージツアーでの観光客受け入れを再開。その後、10月11日に1日あたりの入国者数の上限を撤廃し、個人旅行の解禁と短期訪日時のビザ免除を始めた。

方面別実績

 方面別に見ると、アジアでは韓国が101万2700人(19年比81.9%減)となり、22市場で最多で唯一の100万人超え。中国は18万9000人(98.0%減)、台湾は33万1100人(93.2%減)だった。香港は26万9300人(88.2%減)、インドは5万4300人(69.1%減)だった。

 ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国では、タイが19万8100人(19年比85.0%減)、シンガポールが13万1900人(73.2%減)、マレーシアが7万4000人(85.2%減)だった。インドネシアは11万9800人(71.0%減)、フィリピンは12万6900人(79.3%減)、ベトナムは28万4100人(42.6%減)だった。

 欧州では、英国が5万7500人(86.4%減)、フランスが5万2800人(84.3%減)、ドイツが4万5700人(80.7%減)。イタリアは2万3600人(85.5%減)、スペインは1万5900人(87.8%減)、ロシアは1万400人(91.3%減)だった。

 サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートのGCC(湾岸協力理事会)の加盟6カ国にトルコとイスラエルを加えた8カ国で構成する「中東地域」は、訪日数が2万1400人(77.5%減)だった。

 米大陸では米国が32万3500人(81.2%減)、カナダは5万5900人(85.1%減)、メキシコは9100人(87.3%減)だった。オセアニアでは、豪州が8万8600人(85.8%減)だった。そのほかの国・地域からは33万6300人(72.3%減)が入国した。

関連リンク
日本政府観光局
観光庁

・2021年訪日客、過去最低24.5万人 45年ぶり100万人割れ(22年1月20日)
・2020年訪日客、87.1%減411万人 東日本大震災以来9年ぶり前年割れ(21年1月21日)
・19年訪日客、過去最高も伸び鈍化 韓国25.9%減響く(20年1月17日)
・訪日客、過去最高8.7%増3119万人 18年、地震・台風から需要回復(19年1月17日)
・訪日客、過去最高19%増2869万人 17年、中韓700万人台(18年1月19日)
・16年訪日客、2403万人で歴代最高 日本人客2年連続上回る(17年1月17日)

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